学会発表用のスライド作成については,beamerでスライド原稿用pdfを作成する(その1)に始まる一連の記事にまとめたが,ポスター作成については触れていなかったので,今回まとめることにする.
latexを使ってポスターを作成する場合の定番はbeamerを利用したもので,代表例には,beamerposterがある.それ以外にも,latexのポスター作成用のパッケージには,baposter, Gemini, betterposter, tikzposterなどがある.さらに,Inkscapeを使用する方法も報告されている.できるだけこれらの情報を集積してみた.なお,私自身は,標準的なbeamerposterの中に含まれているスタイルファイルを少し改変して用いている.
前回のポストを書いた後に,念のために調べてみると,どうやら,media9なるものが,いまやpdfに動画を埋め込むために普通に使われているようだということが判明してしまった!う〜む,勉強不足を痛感する.遅れを取り返すべく,早速やってみたので,それを追加報告とする.
Table of Contents media9 beamerで動画が走るスライド原稿を作る(media9版) media9を使用したときの利点 media9を使用したときの欠点 結論 media9 media9はtexlive2018に含まれており,特に別途インストールする必要はなかった.media9については様々な情報があったが,多くはWindowsやLinuxに関してであり,そのままコピペして動くような極楽情報はなかなか見つからなかった.やはり,餅は餅屋で,OS X TeXにそのものズバリの情報があった.それが参考サイト5である.
参考サイト1:TeXWiki media9 参考サイト2:TeXでプレゼン - LaTeX Beamerを使う人のためのTips集 参考サイト3:How to embed video files in a PDF using LaTeX (a media9/beamer example) 参考サイト4:Beamer で PDF ファイルに動画を埋め込む 参考サイト5:media9 problems beamerで動画が走るスライド原稿を作る(media9版) 同一directoryにhogefuga.movがあるとすれば,以下のように書けば良い
preambleに,\usepackage{media9}を忘れずに追加しておく.
\newcommand{\showmovie}[1]{\includemedia[ activate=pageopen, deactivate=pageclose, width=110mm, height=72mm, addresource=#1, flashvars={ src=#1 &loop=true &autoPlay=false } ]{}{StrobeMediaPlayback.swf} } \begin{frame} \frametitle{hogefugaの動画} \centering \showmovie{hogefuga.mov} \end{frame} 110mmと72mmの数値はフレーム内の動画の収まり具合により適宜調整する.
loopは,ループ再生するかどうか
autoplayは自動再生するかどうか
media9を使用したときの利点 なんと言ってもべた書きよりもelegant! スライドを開けたときに,何もしなくても動画の静止画が映るので,前回のやり方のように背景をべた書きしなくて良い. media9を使用したときの欠点 もう完全にmedia9に乗り換えるつもりでいたが,以下に述べるようにいくつか欠点もあることが判明した.
media9はpdf自体に動画を埋め込むようである.したがって,200MBの動画を走らせるとすると,pdf自体が200MB以上の大きさになってしまう. それだけでなく,200MB程度の動画になると,途中で固まってしまう!これでは使い物にならない. 一方,前回記事のべた書き方式だと,pdf自体に動画を埋め込まないので,pdfは大きくならないし,動画指定のパスは効くし,200MBだろうともっと大きかろうと動画はガンガン動く. 結論 容量の小さな動画であれば,media9でも十分であろう. 私のように,容量の大きな動画を使用するような場合は,べた書きを使用するほうが良いであろう. ということで,結局,元の木阿弥に戻ることとなった.
実は,同じような内容について2010年に,TeX QA に投稿しているが,その後現在に至るまで使い続けることができており,一応,こちらでもまとめておくことにした.
beamerで動画が走るスライド原稿を作る 前述した ,TeX QA に経緯は投稿してあるので,詳細はそちらを読んでいただきたい.
参考にしたのは,Adobeのpdfのマニュアル(DVI specials for PDF generation) https://www.tug.org/TUGboat/tb30-1/tb94cho.pdf の以下の部分
3 Annotations An annotation is considered as an object with a location on a page. The type of the object is given by the value of the key `/Subtype', for instance, `/Text', `/Link', `/Sound', `/Movie', etc. (See [1, p. 615] for the list of all annotation types.) The location is given by an array object associated to the key `/Rect'.
前回のポスト(LaTeXをインストールし,texファイルが変更されると,自動的にcompileしてskimでのpdfも自動で更新されるようにする(2018年9月1日追記))により,既にLaTeXはインストールされたので,今回は学会発表向けのスライド原稿作成についてまとめる.ようやく実質的な話になる. beamerによるスライド原稿の作成 基本的には,通常のLaTeX文書と同じである.実際のスライド原稿を見てもらうほうが早いであろう.以下のtexファイルを作成し,beamer_test.texと名付け,保存する.Editorは何でも良いが,やはり,Emacsのauctexを使うと補完などあり,便利である. 下記のファイルには多少コメントを付けた.フォントの指定は自明.themeは山のようにあるので,ググって好きなものを使う. なお, \usefonttheme{professionalfonts} を入れているのは,これを入れないと,beamer は数式フォントとして sans に指定されたフォントを使うように内部で変更するからで,これを入れるとこの変更を無効にできる.数式がヒラギノになると間抜けである.昔,TeX QAで教えていただいた.参考:beamerでの数式フォントの変更 また,いろいろ余分なパッケージも読み込んでいるが,必要なときに書き込めば良く,不要なら削除する. % -*-coding:utf-8-*- \documentclass[svgnames, table, 14pt]{beamer} \usepackage{zxjatype} \usepackage[hiragino-dx]{zxjafont} % ヒラギノ角ゴ Proを使う \setjamainfont[Scale=0.95,BoldFont=ヒラギノ角ゴ Pro W6]{ヒラギノ角ゴ Pro W3} \setjasansfont[Scale=0.95,BoldFont=ヒラギノ角ゴ Pro W6]{ヒラギノ角ゴ Pro W3} % themeを指定する \usetheme{Darmstadt} \usefonttheme[onlylarge]{structurebold} \setbeamerfont*{frametitle}{size=\large,series=\bfseries} \setbeamertemplate{navigation symbols}{} \usepackage[english]{babel} \usepackage[latin1]{inputenc} \usepackage{times} \usepackage[T1]{fontenc} \usepackage{hyperref} % Setup TikZ \usepackage{tikz} \usetikzlibrary{arrows} \tikzstyle{block}=[draw opacity=0.7,line width=1.4cm] % Figure position \usepackage[absolute,overlay]{textpos} % math \usepackage{mathabx} \usefonttheme{professionalfonts} % Author, Title, etc. \title[hoge/fugaによる相補的な治療における高難度症例の治療と成績] {hoge/fugaによる相補的な治療における高難度症例の治療と成績} \author[taipapa] {taipapa, 織田信長, 豊臣秀吉, 徳川家康} \institute[hogefuga University] {hogefuga大学大学院 hogefuga研究科 hogefuga分野} \date[日本hogefuga外科学会 第?
Table of Contents TeX Live 2018のインストール TeX Live 2018のインストール(2018年9月1日追記) ヒラギノフォントの埋め込みなど インストール後のパスの修正(symbolic linkを張る) auctexのインストールと設定 latexmk 実際の作業 XeLaTeXについて TeX Live 2018のインストール 参考サイト1:TeX Wiki TeX Live 参考サイト2:TeX Wiki TeX LiveMac 参考サイト3:The MacTeX-2018 Distribution 上記サイトを参考にTeX Live 2018もしくはMacTeX-2018をインストールする. これでスライド作成ソフトであるbeamerも一緒にインストールされる. beamerに固有の設定は特に必要なし. TeX Live 2018のインストール(2018年9月1日追記) 大事なことを2つ忘れていたので追記する.
ヒラギノフォントの埋め込みなど 参考サイト:MacTeX 2018のインストール&日本語環境構築法 こんなところを読んでいないで,直ちに上記のサイトに飛んでいただきたい. マックユーザーにとっての最大の問題点は 「macos標準添付のヒラギノフォントなど商用フォントに関する設定ファイル群が,TeX LiveからTLContriに移動になった」 ということである.この問題に対する対応方法は,すべて上記のサイトに記載されているので,そのとおりにすれば良い.実にありがたい. インストール後のパスの修正(symbolic linkを張る) 参考サイト:TeX Wiki TeX LiveMac
MacTeX 2018を普通にインストールすると,/usr/local/texlive/2018/bin/x86_64-darwin/bibtexというふうにbinの下にx86_64-darwinというdirectoryが入って,tex関連のコマンドのパスが上手く通らなくなる.そこで,上記のTeX Wiki TeX LiveMacに書いてあるように,/usr/local/binディレクトリの下にsymbolic linkを張る.
$ sudo /usr/local/texlive/????/bin/*/tlmgr path add 上記でうまくいかないときは下記のように具体的なディレクトリ名を指定する.
$ sudo /usr/local/texlive/2018/bin/x86_64-darwin/tlmgr path add auctexのインストールと設定 latex文書を扱うなら,Emacsのパッケージであるauctexが最強(according to 独断と偏見) preludeをインストールした時点で,auctexもインストールされる. auctexの設定などについては以下を参照(手抜き….